2代にわたってオンダを支える工場
西田自研工業株式会社/西田忠昭様・英明様今回ご紹介するのは、オンダパーツから車で10分ほどの場所に工場を構える西田自研工業様。創業から50有余年を数え、2代にわたってバレル研磨と切削加工でオンダのモノづくりを支えてくださっているパートナー企業です。
バレル研磨機の扱いは熟練した職人のなせる技。
「バレル研磨」とは、金属製品のバリ取りや光沢仕上げを行う加工法。製品とセラミックなどの研磨石、コンパウンド(研磨補助剤)、水を機械に投入し、回転運動や摩擦効果によって丹念に磨きを入れていく昔ながらの方法です。
「製品の素材や形状に合わせて、使う研磨石の種類や配合、研磨時間を変えます。そのさじ加減が仕上がりを左右するところで、ノウハウなんですよ」と西田忠昭社長。
年季の入った工場には、使い込まれたバレル研磨機がずらり。多くは特注品で、一般的な機械の3倍の処理能力を持つそう。その歴史はまさに、オンダの発展の軌跡と重なります。「なにぶん、とても手間がかかるので、最盛期と比べると同業者はめっきり減ってしまいました。でも私たちはこれからも、オンダさんと長年築いてきた信頼関係を大切に守り、品質でお応えし続けたいと考えています」。そう語る西田社長の笑顔が印象的でした。
挑戦する姿勢を常に持ち、努力を重ねていく。
西田自研工業様は30年ほど前から切削加工にも着手し、ほどなくオンダと提携して黄銅製品の本格生産を開始しました。NC旋盤機2台からスタートした切削加工工場ですが、今ではバレル研磨と並ぶ同社の事業の柱に成長。新旧の工作機械を巧みに利用し、定番製品から新製品、特注品まで、多種多様なオンダ製品を担当していただいています。
切削加工の現場を率いる2代目で専務の西田英明さんによると、新製品や特注品の生産においてポイントとなるのが、工作機械のプログラムづくり。「どのような制御プログラムであれば、図面通りの形状に加工できるのか。より効率よく加工するにはどうしたらいいか。前例がないだけに、毎回とても苦労します。でも試行錯誤の末、うまくいった時は大きなやりがいを味わえますね。モノづくりの醍醐味といってもいいかもしれません」。
今後の目標は、今よりもっと難加工に強い工場になること。「正直に言うと、難加工案件はしんどいんですよ。でも、“西田自研工業ならつくれるだろう”とお声がけいただけるとやっぱりうれしいし、当社にとって重要な知見やノウハウを蓄積するチャンスにもなります。挑戦する姿勢を常に持ち、努力を重ねていく。それが創業当時から守ってきたDNAであり、私たちの生きる道だと思っています」。
西田専務の言葉には、職人の技と心、地域のつながりがひとつになって受け継がれてきたオンダのモノづくりの本質がにじみ出ていました。
会社紹介
西田自研工業株式会社
岐阜県関市武芸川町高野382番地